中性脂肪が高いと、様々な病気のリスクが高まります。
しかし、中性脂肪は食事で、さらに自分で改善することが可能なのです。
健康診断で中性脂肪の数値の高さを指摘された方はぜひ参考にしてみてください。
反対に中性脂肪が低すぎる場合にもリスクがありますので注意しましょう。
中性脂肪ってなに?
皮下脂肪や内臓脂肪といった体にたまった脂肪を「中性脂肪」と言います。
中性脂肪は体を動かすためのエネルギーを保存する役割を持っており、ご飯を食べなかったり激しい運動をした際、中性脂肪が分解されてエネルギーとして使用されるようになっているのです。
しかし、中性脂肪がエネルギーとして使われないと皮下脂肪として蓄えられてしまい、太ってしまうだけでなく健康へのリスクが懸念される状態になります。
中性脂肪が高いとどうなる?
増えすぎた中性脂肪は内臓脂肪や皮下脂肪となり、肥満をもたらします。
肥満は万病の元ともされており、多くの生活習慣病を引き起こす可能性があるのです。
また血中の中性脂肪が増えてしまうと血液がドロドロになりうまく流すことができません。
動脈硬化や心臓病、脳卒中といった命に関わる病気に繋がる可能性があることから、健康的な生活を送れなくなってしまいます。
中性脂肪が高いことで引き起こす病気
中性脂肪が高い場合、脂質異常症や糖尿病などをすでに患っている可能尾もあります。
今回は一番考えられる脂質異常症について見ていきましょう。
国立循環器病研究センターによると、以下のいずれかに当てはまる状態を「脂質異常症」と呼びます。
● 中性脂肪値が高い
● 善玉コレステロール値が低い
脂質異常症は動脈硬化を招き、それが進行すると急性心筋梗塞や脳梗塞などに陥る恐れもあるのです。
脂質異常症自体に症状はありませんが、それに伴って発症する病気は生命を脅かす危険なものです。
脂質異常症の人の食事
食物繊維を摂る
コレステロールを下げるためには体外に排出することが重要で、その際に必要なのが水溶性食物繊維です。
食物繊維が体内に足りていない場合、コレステロールは再吸収され、上手に体外に排出されません。
野菜・きのこ・海藻といった食物繊維がたっぷり入った食材を摂取することでその排出を助けてくれるようになるのです。
大豆製品を摂る
大豆に含まれる良質のたんぱく質は植物性で、血中のコレステロールを低下させ、中性脂肪を減らしてくれる効果があります。
また動脈硬化が心配される脂質異常ですが、納豆には血栓を溶かしてくれる作用もあるのです。
納豆を食卓に取り入れたり、豆腐を使ったおかずを一品増やしたりするのであれば簡単にできます。
脂質・糖質を減らす
肉の脂身や、バターや生クリームといった糖質が高く中性脂肪を増やしやすい食事を減らすように意識しましょう。
また、普段使用する油も飽和脂肪酸が多い動物油を避け、不飽和脂肪酸を多く含む植物油に変えるようにしてください。
きつすぎない適切な運動
食事だけでなく、運動をするように心がけることも重要になってきます。
強度のある運動ではなく、続けられる範囲で行いましょう。
少しきついかなと感じる程度の有酸素運動を30分以上行うことが目標です。
太っている場合は、まず適正体重に近づけることを目標にしてください。
減量を行うだけでコレステロール値の改善にかなり良い影響が出るはずです。
中性脂肪が低いとどうなる?
中性脂肪にはエネルギーを保存する役割があるとご説明しましたが、中性脂肪が低い場合は体内に蓄えられるエネルギーが足りないという状況になります。
疲れが取れにくかったり、体力が続かなかったり、免疫力が低下するなどの影響が起こるのです。
もし極端なダイエットや激しい運動を行っていない場合は体質的なことも考えられますので、医師に相談しながら意識的に脂質を摂るようにしても良いでしょう。
中性脂肪が高いことも問題ですが、逆に低すぎるのも健康に良くありません。
一日三食をしっかり食べること、そして米やパンなどのエネルギーとなる炭水化物を食べることを意識し、バランスの良い食生活を心がけるようにしてください。
中性脂肪は自分で対策できる
中性脂肪は本来、体を動かすためのエネルギーを貯蔵する大切な役割を持っています。
高すぎるだけでなく、低すぎることも良くないのです。
健康診断などで中性脂肪が高いと言われてしまった場合でも、食生活を見直して適切な運動を行えば自分で挽回することも可能です。
他の病気を発症してしまう前に、まずは自分の意識改革を行いましょう。
中性脂肪に限らず、脂肪は時間をかけて体に蓄積されていくことがほとんどです。
そのため脂肪を減らす際にも、同様に時間がかかると思います。
1ヶ月続けても変わらないからと諦めることなく、日常的に中性脂肪対策を取り入れた食事・有酸素運動が行えるよう、ルーティン化を目指しましょう。