食べ物を食べてから消化されるまで、どのくらいの時間がかかるのでしょうか。
食後すぐに寝てはいけないと言われた事もあるかもしれませんね。しかし、それ以外にも実は食後やってはいけないことがあるのです。
食べ物の消化を助けるため、食べ物それぞれの消化時間や、胃を助けるためのポイントを見ていきましょう。
食事と消化の役割
食事は口から食べて、咽頭・食堂・胃・腸・肛門まで、およそ1本の消化管の中を通過していきます。
その過程で栄養を吸収したり、分解を行い、不要なものを体外へ排出するように出来ているのです。
便が正常に排出されるということは、不要なものがきちんと体外へ排出されているという証拠になります。
胃は15倍に大きくなる
胃の容積は、空っぽの時でおよそ100ml程度です。
そして満腹時には、およそ1.5ℓもの容量が入るサイズにまで大きくなるのです。
食べ物の消化時間
食べ物は胃で消化されるまで、およそ3時間程かかります。
夕食は就寝の3時間以上前に食べるようにと言われているのは、この事が関係しているのかもしれませんね。
そして、小腸はおよそ6~7mほどの長さがあるとされており、その中を3~6時間で通過します。
大腸は1.5mほどとされており、その長さを8~10時間も留まるのです。
果物
消化時間…約30分
野菜
消化時間…約1~2時間
炭水化物(パン・米など)
消化時間…約8時間
たんぱく質(肉・魚など)
消化時間…約12~24時間
消化時間は変わる
例えばとってもお腹が空いていたり、視覚や嗅覚から得た様々な情報によって消化時間は異なるとされています。
空腹は最高のスパイスという言葉がある通り、消化時間がこれに影響しているようです。
そのため、食事は雰囲気などの環境づくり、そして見た目や彩りなど様々な要因でより美味しくすることができるのではないでしょうか。
また、消化時間が長ければ長いほど、胃腸への負担が大きくなります。
お腹が弱い人は特に、消化を考えて胃腸への負担の少ない食事を心がけることが必要になりそうです。
消化に良い食事
● 食物繊維が少ないもの
● 脂肪が少ないもの
● 小さく柔らかいもの
● 油の使用量が少ないもの
● 塩分控えめのもの
炭水化物は、おかゆやくたくたに煮込んだうどんが良いでしょう。
お魚は蒸したり煮たり、鍋にするのがおすすめです。
肉は鶏のささみや赤身のお肉を使用し、卵は生では頂かず、火を通すようにしてください。おかゆを卵粥にするのが良いですね。
野菜はなるべく小さく切り、柔らかく煮込みましょう。
食べ物はしっかり噛んで食べると消化もスムーズになります。胃腸の調子に関わらず、日頃から食べ物をよく噛む癖をつけておくのがおすすめです。
また、食事の前に水分を取ると胃液が薄まってしまう可能性があります。これも消化を鈍らせる原因となりますので控えましょう。
食後にやってはいけないこと
食後の運動
食べてすぐに運動を行うのは、逆流性食道炎の原因になる可能性があり、消化不良を引き起こすためNGです。
ちなみに、小さい時に給食を食べた後、昼休みに遊んだり体育の授業を受けて横腹が痛くなったことはありますか?
これは、ひ臓と呼ばれる胃の横にある臓器が食べ物の消化を助けているのですが、運動することによってひ臓の血液が足りなくなり、縮むためだと言われています。
食後に体を動かすのは、30分以上時間を空けてからにしましょう。
食後のデザート(果物)
食後に果物を食べるのはNGです。
果物の甘さは、果糖という成分によるものです。
果糖は糖質を含む高エネルギーで、朝に食べると素早く吸収され、体や脳を動かすためのエネルギーとなってくれます。すっきりとした目覚めと活動的な力が沸く優秀な栄養素です。
しかし、食事の後に果物から果糖を摂取すると、果糖が分解されずに腐敗し、お腹を壊してしまう原因になる可能性があるのです。
胃はストレスに弱い
胃は、食べすぎや飲みすぎ、ストレスなどの影響で急性胃炎を起こしたり、さらには胃潰瘍などといった病気を起こしやすい臓器です。
ひ臓が血液を使って胃の消化を助けていると紹介しましたが、胃は血液がないとうまく食べ物を消化をすることができません。
そのため、運動を行って疲労を感じたり、ストレスを感じると胃はその働きが抑制されてしまいます。
食べ物の消化というのは時間がかかり、たくさんのエネルギーを使用するものです。
また、高齢になると胃の消化液の分泌が減り、分解や吸収などの働きが弱まってしまいます。腸は年齢を重ねるにつれて運動能力が低下してしまいますので、腸マッサージなどを行って排せつを促すことも大切です。
健康的な食事・吸収・排せつで、胃の消化を助ける生活を心がけましょう。