ミネラルは体内で作ることができないため、食べ物から摂取するしかありません。
たんぱく質・脂質・炭水化物といった体を動かすための三大栄養素(エネルギー産生栄養素)の他に、体の調子を整えるビタミン、体を作るための材料となりその働きを円滑にするミネラルがあり、これらの5つをあわせて五大栄養素と呼ばれています。
必須ミネラルとは?
私たちの体に必要なミネラルは16種類とされており、これらは必須ミネラルと言われています。
更にその中でも特に体内に多く存在する「主要ミネラル」とその他の「微量ミネラル」に分けられています。
ミネラルにはそれぞれ大切な役割があり、今回はその中でも主要ミネラルについての働きを見ていきましょう。
● ナトリウム
● マグネシウム
● リン
● カリウム
● カルシウム
● 硫黄
● 塩素
必須ミネラルの中には、特に不足しがちとされ、体を作り出すための大切な栄養素である「カルシウム」も含まれています。
食べ物からしか摂取できないミネラルですが、それぞれのミネラルが多く含まれる食材は一体どんなものでしょうか?
ナトリウム
食塩とは、ナトリウムと塩素から出来ています。
健康のため食事の塩分を気にされている方も多くいらっしゃると思いますが、食べ物の栄養成分表示に記載されている「ナトリウム」でその塩分を計算することができるのです。
ナトリウム(mg)×2.54÷1,000=食塩相当量(g)
ナトリウムが不足すると、特に夏場は熱中症などにかかりやすくなってしまいます。
多量の発汗により血液が濃縮されてしまうなどの可能性もありますが、日常の食生活でほとんど賄えているはずですので意識的に減らすことはあっても、増やす必要はありません。
ナトリウムの働き
細胞内外におけるミネラルバランスを保つ役割をしています。
体内の水分バランスを調整し、血液循環の量を維持、筋肉などを動かすために働くミネラルです。
ナトリウムが多く含まれる食品
● 塩
● 味噌
● 醤油
● 昆布茶や塩昆布
● 柚子胡椒
● カットわかめ
● 粉末調味料
(顆粒中華だし・固形ブイヨン・顆粒和風だしなど)
マグネシウム
マグネシウムの不足は、多くの生活習慣病のリスクが高まる可能性があるとして研究がされているようです。
摂取のしすぎによる弊害はないとされていますが、サプリメントなどから摂取する場合のみ、350mg(成人)を上限とすることが厚生労働省により設定されています。
しかし、マグネシウムを正常に排せつするための腎機能が低下している方には注意が必要です。
マグネシウムの働き
何百種類もの酵素を活性化させて、私たちの生命維持活動を支えています。
エネルギー生産や代謝などにも影響を与えると言われているミネラルです。
マグネシウムが多く含まれる食品
● アーモンド
● 魚介類
● ココア
● コーヒー
● カットわかめ
● いりごま
● 焼き海苔
リン
エネルギーの代謝や脂質の代謝にもかかわりを持つリンは多くの食品に含まれているため、通常の食事をする分で不足することはほぼありません。
逆に長期にわたって過剰摂取すると、腎機能が低下したりカルシウムの吸収が抑制されてしまう弊害が起こる可能性があります。
加工食品や外食にはリンが多く含まれていることがありますので、注意が必要です。
リンの働き
骨や歯を作り出し、その働きに必要不可欠なミネラルです。
エネルギー生産などの代謝にも影響を与えます。
リンが多く含まれる食品
● 魚
● 牛乳
● 卵
● インスタントラーメン
● 肉
● 大豆
カリウム
カリウムのほとんどは細胞内に存在していますが、その大部分は腎臓の力で排せつされています。
たくさんの食材に含まれているため通常の食事を行っている場合に不足することは少ないです。
厚生労働省による摂取上限量も決められていません。
しかしカリウムを排出する腎臓の機能が低下している場合は注意が必要なため、摂取量について医師に相談するのが望ましいです。
カリウムの働き
カリウムには塩分を体外に排出して血圧を調整・下げる力があり、脳卒中などの予防に役立ちます。
また細胞の働きを正常に保ったり、カルシウムとともに骨密度を増やす効果も期待できるのです。
カリウムが多く含まれる食品
● バナナ
● アボカド
● ほうれん草
● いも類
● 豆類
● 肉
● 魚
● 海藻
カルシウム
カルシウムは、体内で吸収されづらい栄養素です。
意識しながら摂取しなければほとんどの人が摂取不足となっています。
さらに血液中のカルシウムの量を一定にするため不足分のカルシウムを骨から取り出してしまい、骨粗しょう症などを引き起こす可能性があります。
また、生活習慣病などにかかりやすくなってしまうとされているのです。
カルシウムの働き
骨や歯を作り出す主な成分で、血中で一定量を保っているほどに必要不可欠なミネラルです。
ホルモンや精神にも影響を及ぼし、精神を安定させるなどの役割も持っています。
カルシウムが多く含まれる食材
● 牛乳
● ヨーグルト
● プロセスチーズ
● アイスクリーム
● 木綿豆腐
● わかさぎ
● 干しエビ
● しじみ
● 小松菜
● チンゲン菜
ミネラルの重要性
ミネラルは筋肉や神経の伝達に影響を与え、骨や体を作りだし、体を調整するために必要不可欠な栄養素です。
ビタミンは体の調子を整えるために重要ですが、ミネラルはさらに体の構成にも関わっているのです。
また、過剰摂取によって弊害が見られるミネラルについてもしっかり覚えておきましょう。
三大栄養素だけでなく、ビタミンやミネラルもあわせて栄養バランスが整うような食事へと意識することが大切です。