そばとうどん~麺類の食事~
香ばしい香りが食欲をそそる蕎麦。
蕎麦の実から蕎麦粉を作り加工された蕎麦は、香ばしい香りが食欲をそそります。
うどんは水・塩・小麦粉から作られる麺類で、讃岐うどんや全国のうどんチェーン店などはとても人気ですね。
体調が悪い時や食欲がないときにも、うどんは重宝されています。
関西風や関東風など全国各地、様々な味わいで親しまれているそばとうどんは、一体どちらがカロリーが低いのでしょうか?
栄養価など、他にも気になるそばとうどんの様々な違いを比較しながらご紹介していきます。
そばとうどんを比べてみよう
カロリーが低いのはどっち?
日本食品標準成分表によると、それぞれのカロリーは以下の通りです。
うどん(ゆで)100gあたりのカロリーは105kcal
うどんの方が数値的には低カロリーとなります。
しかし、実際麺にする前の粉の段階ではカロリーはほとんど変わりません。
うどんは水分をよく含むため、水分に対する粉の量がそばと比べて少なくなることから、低カロリーになるのです。
栄養価が高いのはどっち?
そばは栄養が豊富とされる胚芽が実の中にあって取り除くことが難しいため、精製せず丸ごと加工します。
そのため、栄養豊富な胚芽をまるごと摂取できるのです。
近年、ジャンクフードなどによる栄養の偏りで若い世代にも多くみられる味覚障害を防ぐための「亜鉛」や、必須アミノ酸を多く含む「たんぱく質」、さらには利尿作用により体内の塩分濃度を減らすことで血圧を下げる効果が期待できる「カリウム」など、様々な方面で私たちの健康をサポートしてくれる栄養素が詰まっています。
また、ビタミンB1やビタミンB2はお米の4倍も含まれており、普段お米しか食べないという方に足りていない栄養素を補完することができるのです。
(可食部100gあたり)
そば | うどん | |
エネルギー(kcal) | 132 | 105 |
たんぱく質 | 4.8 | 2.6 |
脂質 | 1.0 | 0.4 |
炭水化物 | 26.0 | 21.6 |
食物繊維 | 2.0 | 0.8 |
ナトリウム | 2 | 120 |
カリウム | 34 | 9 |
カルシウム | 9 | 6 |
マグネシウム | 27 | 6 |
リン | 80 | 18 |
鉄 | 0.8 | 0.2 |
亜鉛 | 0.4 | 0.1 |
ビタミンB1 | 0.05 | 0.02 |
ビタミンB2 | 0.02 | 0.01 |
食塩相当量 | 0 | 0.3 |
文部科学省による日本食品標準成分表より
そばにだけ含まれる「ルチン」
ルチンとはそばに含まれるポリフェノールの一種で、そばが栄養価が高いといわれる所以です。
ルチンは血流をスムーズにするだけでなく、血管の修復、毛細血管の強化、そして血圧を下げる効果があるため、脳卒中や高血圧など様々な生活習慣病の予防に繋がるとされています。
また、そばを食べるときには「そば湯」を目にすると思いますが、ルチンは水溶性のため、このそば湯を飲むとより効果を得ることができるのです。
消化が良いのはどっち?
うどんの食物繊維は、そばと比べて2分の1以下です。
食物繊維は消化ができないため胃腸に負担をかけますが、ほとんどが炭水化物で構成されているうどんは消化吸収の際の負担が軽くなります。
体調がすぐれない時にくたくたに煮込んだうどんなどを食べることが多いかもしれませんが、それは理にかなっているのです。
特におすすめなのが、柔らかく似た温かいうどんです。
そばの良質なたんぱく質の代わりに「卵」を投入して食べるようにするのが良いですよ。
GI値が低いのはどっち?
GI値を調べたとき、そばのGI値は54、うどんのGI値は80と表示されているものが多いと思います。
これだけを見ると圧倒的にそばの方が低いように見えますが、GI値は炭水化物50gあたりの数値で計算されているため、栄養価が異なるそばとうどんはそれぞれ違う分量で計算された数値になっているのです。
炭水化物50gを含むうどん(ゆで)の分量は、およそ88gつまり、そば(ゆで)70gのGI値は、54
うどん(ゆで)88gのGI値は、80となるのです。
そばの方がGI値が低いことは事実ですが、うどんの方が多い分量で計算されている数値であるということを覚えておきましょう。
そばとうどんはどっちが良いの?
そばは、うどんには含まれない「ルチン」の健康効果がとても高く、昔から重宝されてきました。
うどんの2倍以上の食物繊維が含まれているため、腹持ちも良いです。
しかし、体調を崩しているときやお腹が弱い方であれば、その食物繊維が胃腸に負担をかけてしまう事もあり得ます。
さらにそばの具材となる「天ぷら」などを乗せすぎるとカロリーも気になりますし、かといってそば以外の食材を一緒に摂らない場合は血糖値が急激に上がってしまうことも懸念されます。
どちらの方が良いという訳ではなく、それぞれのメリットやデメリットを知ったうえで、体調にあわせて食卓に加えるのが良さそうですね。