食事から改善する良質な睡眠

生活

いつ、どのような食事を摂るのかによって、睡眠の質は大幅に変わります。単純に睡眠時間を長くとれば良いという訳ではありません。

日中身体がだるい、朝すっきり起きられない…などと言った方は、健やかな睡眠のために必要な食事を取り入れてみてください。

睡眠の質が上がるということは、睡眠時に副交感神経がしっかりと働いて、心の不安も取り除けます。そのための食事・食材の組み合わせなどをご紹介していきます。

快眠のためのアミノ酸

セロトニンとメラトニン

セロトニンは、私たちの生体リズムや睡眠、精神の安定など様々な事柄に関与したアミノ酸です。セロトニンの原料はトリプトファンという物質ですが、トリプトファンは体内では生成されず、多くの現代人が不足した状態にあるとされています。

食べ物から摂取しなければならないトリプトファンですが、これらは日中セロトニンになり、夜になるとメラトニンへ変わります。これら2つのホルモンがしっかり働くと、良質な睡眠がとれて、朝もスッキリ起きられるようになるのです。

セロトニンの原料であるトリプトファンは、食べ物から摂取します。まず朝ご飯をしっかり食べて胃腸を動かし、体内時計も一緒に目覚めさせましょう。

三食しっかり摂ることで体内リズムが整い、夜に身体が睡眠状態へ移行しやすくなります。

トリプトファンが多く含まれる食材

● 玄米（白米でも可）
● 大豆（豆腐・納豆・味噌など）
● 卵
● 乳製品（牛乳・チーズ・ヨーグルトなど）
● カツオ・マグロ（赤身）・鮭
● 鶏むね肉・レバー
● バナナ

炭水化物（糖質）は、トリプトファンがしっかりと働くためのサポートをしてくれます。糖質を極端に制限されている方もいるかもしれませんが、私たちの体を動かすためのエネルギーにもなりますので、朝はトリプトファンと一緒に摂取するのが良いでしょう。

炭水化物（糖質）

● パン
● ご飯
● パスタなどの麺類

トリプトファンは、ビタミンB6や鉄分と一緒に摂取すると効率的にセロトニンへ合成されると言われています。

ビタミンB6

● 大豆
● 鶏むね肉
● カツオ
● マグロ
● レバー
● バナナ

鉄分

● レバー
● 貝・海藻類
● ほうれん草

トリプトファンの一日の摂取量目安は、体重1kgあたり2mgとされています。体重が50㎏の方は、一日100mgです。必要以上に摂取を続けると肝臓に障害が出る恐れもありますので、出来るだけサプリメントなどではなく、様々な食材を使って、食事から摂取できるように心がけましょう。

これまで朝ごはんを食べていなかった方は、いきなり朝ごはんを食べる、たくさんの食材を使って調理をするといった事は難しいと思います。いきなり100を実行するのではなく、100を目指せるよう、日々気を付けていくことが大切です。

糖質とトリプトファンが含まれる「バナナ」、そしてたんぱく質とトリプトファンが含まれる「牛乳」でバナナジュースなどを作り、それを朝飲むことから始めるのがおすすめです。

寝る前に食事をするのは良くないとされています。確かに、出来れば睡眠の3時間前までに済ませるのが理想です。

お腹が空いているときは血糖値が下がりますが、その際、私たちの体は血糖値を上げようと働きます。その時に発生するのがアドレナリンです。

このアドレナリンは、体内の「交感神経」を高めてしまい、身体をリラックスモードへと移行してくれる「副交感神経」と反対の働きを行うため、身体がアクティブな状態になってしまうのです。

お腹が空いて寝れない！という事があるときは、交感神経がしっかり働いてしまっているからかもしれません。

その結果、眠りが浅くなったり、疲れが取れにくくなったりするのです。

寝る前、どうしてもお腹が空いてしまった時には、「無調整豆乳」がおすすめです。

大豆にはトリプトファンが含まれていますし、何よりたんぱく質が豊富で糖質が少なく、血糖値が急上昇してしまうようなこともありません。

牛乳よりもお腹も壊しにくいですし、ぜひ試してみて下さい。

良質な睡眠のために必要なトリプトファンは、食事からしか摂ることができません。

玄米や卵などといったトリプトファンが豊富に含まれる朝ごはんを食べることによって、体内リズムやホルモン分泌が整います。併せて炭水化物やビタミンB6、鉄分を摂取するとより効果が期待できるので一緒に摂るようにしてください。

また、適度な運動を取ることも効果的だとされています。しっかりと朝食を取り、日中に身体を動かし、夜にスムーズに睡眠状態に移行できるように身体を整えましょう。

運動は少しのウォーキング程度で構いませんが、時間が取れない方はストレッチや入浴などを取ってみて下さい。

食事から改善する良質な睡眠で、健やかな毎日を過ごしましょう！